天岩戸神社・天安河原


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天岩戸神社入り口の鳥居 天岩戸神社には東西2つの神社があり、東宮は「天照大神(あまてらすおおみかみ)」・西宮は「天岩屋(あまのいわや)」を祭り、それぞれ社殿があります。
 主祭神 天照大神(あまてらすおおみかみ)=おおひるめの尊
 合祀神 手力男命 天細女命 外5神
「あまのいわと」は天岩戸又は天磐戸と書かれたり、呼び方も天岩戸・天岩屋・天岩屋戸等と称されています。

天岩戸(あまのいわと)神社西宮

古事記・日本書紀及び伝承では、
日の神様「天照大神(あまてらすおおみかみ)」が弟君「須佐之男命(すさのおのみこと)」のいたずらにお怒りになり、「天岩戸」にお隠れになってしまわれます。
「天照大神」が岩屋戸(洞窟)に隠れられると天界・地上界は真っ暗闇となり、多くの疫病・災いが発生し沢山の悪霊が出て神々は大変困ってしまいます。
八百萬(やおよろず)の神々は集まって相談をし、岩屋戸の前に榊の木をたて勾玉や鏡を取付て、「天細女命(あまのうずめのみこと)」がみだらな格好をしておもしろおかしく踊ります。これを見た神々は大声で笑います。不思議に思った天照大神が顔を覗かせたところ、「手力男の命(たじからおのみこと)」が岩戸を押し開いて連れ出します。岩屋戸には注連縄を張って封印し、入り口を塞いでいた岩の戸を「手力男の命」が投げ飛ばします。漸く天界と地上界は元のように明るくなりました。この時投げられた岩戸は長野県戸隠に落ちた。
と伝えられています。

古事記(鈴木三重吉訳)天岩屋第2項(青空文庫)を読んでみたい方はこちらをご覧下さい。

鳥居を入ったところの紅葉、樹木が生い茂り境内から天の岩戸を見ることは出来ません「天岩戸」を聖域(神域)として祭っている所がここ天岩戸神社西宮です。

岩戸地区は高千穂峡と同じように古阿蘇山の火山活動によって溢出た溶岩が、古祖母山を源流とする岩戸川の流れによって削られ、深い谷を形成して五ヶ瀬川に注いでいるところです。

天岩戸神社は岩戸川の右岸(西岸)に立ち、深い渓谷を挟んで東岸の岸壁の中腹にあります。天岩戸の周辺は雑木で覆われ、黒い岩肌にぽっかりと空いている洞窟の様子を渓谷越しに拝観することができます。天岩戸を拝観できる場所は拝殿背後の拝観所からだけです。(天岩戸は写真撮影は出来ません)
拝殿岸壁の頂上付近は何百年の時を経た5本杉と呼ばれる杉の大木が立ち並び神秘に包まれた聖域を偲ばせています。

天岩戸神社には拝殿があるだけで本殿はありません。本殿は聖域「天岩屋戸」をご神体としているからだそうで、このような形式の神社は日本でも大変珍しいそうです。
宮司さんの話では「天岩戸」には誰も立ち入ったことが無く、入口は崖崩れで埋まっている様子とのことです。


神門にかかるおがたまの木、右奥は拝殿境内には天細女命が岩屋戸の前で招霊(おがたま)枝を手に持って踊ったと伝えられる招霊の大木が枝を垂らしており、昭和29年常陸の宮殿下御成年式・昭和39年御結婚式に際し苗木と鈴の形をした実を献上されたそうです。


天香具山
太玉の命がこの山の榊を根こそぎにして岩屋戸の前に植え、八たの鏡や八坂にの勾玉を掛けたと伝えられています。


 ここでは、宮司さんに案内してもらうことをお勧めします。拝観所の外からは見ることのできない天岩戸を拝観することができ、『神話の里』といわれている所以がわかるでしょう。 (所要時間20分程度。社務所に申し込みをしてください。無料。)
天岩戸神社
お問い合わせ
0982-74-8239

仰慕窟間口40m奥行き30m天安河原(あまのやすかわら)宮
 主祭神 思兼神(おもいかねのかみ)=八百萬神
 「天岩屋(あまのいわや)」に隠れられた「天照大神」を巖から出てもらうため、神々が集まって相談したといわれる、「天安河原」があります。


天安河原付近の岩戸川 天の岩戸神社から岩戸川沿いに500m程川上へ行ったところ、河原一帯が天安河原と伝わっています。その中心に間口40m奥行き30mの洞窟仰慕窟(ぎょうぼいわや)が有り、その中に天安河原宮がひっそりとたたずんでいます。
 祀られている神様が八百萬神と言うこともあって、石を積んで願い事をすると沢山の願い事が叶うそうです。特に中風に効くとの信仰があり遠くから参拝者が絶えないようです。




洞窟の中にひっそりとたたずむ天安河原宮鳥居のある暗い洞窟には、ケルン状に積まれた石が並び、独特のムードを演出しています。積まれた一つ一つの石に人々の願いが込められています。
天岩戸神社から徒歩で10分ほどのところにあります。
日向神話の伝承
日本の古信仰は、人間の神様を山・洞窟・島などの自然に添えて祀っていました。日向神話に関連する場所は次の通りです。

二上山:二上神社 伊弉諾尊 伊弉冉尊

御池(禊地):阿波岐原森林公園江田神社 伊弉諾尊

天岩戸:天岩戸神社 天照大神

櫛觸(くしふる)山:櫛觸神社 邇邇杵尊
            都万神社        木花咲耶媛
            霧島神宮 邇邇杵尊

祖母嶽:祖母嶽神社 彦火火出見尊 豊玉姫尊
青島 :青島神社   彦火火出見尊 豊玉姫尊

鵜戸洞窟:鵜戸神宮 鵜
草葺不合尊 玉依姫尊

霧島山:狭野神社(幼少期) 神日本磐余彦天皇
     宮崎神宮(東征前) 神日本磐余彦天皇
神様の系図

イザナミ−−イザナギ


アマテラス


アメノオシホミミ


ニニギ−−コノハナサクヤヒメ


ヒコホホデミ−−トヨタメヒメ


ウガヤフキアエズ−−タマヨリヒメ


カムヤマトイワレヒコ
高千穂の夜神楽
 天細女命が岩屋の前で踊った舞が高千穂神楽の始まりと伝えられています。
 古事記や日本書紀に登場する岩戸隠れは、高千穂神楽の中で、特に「天の岩戸五番」と言われ、柴引(しばひき)・伊勢神楽(いせかぐら)・手力(たじから)・細女(うずめ)・戸取(ととり)の舞いとして神様が岩戸を開く準備から「天照大神」が出てこられるまでを舞われ、高千穂地方に伝承されています(神楽は全部で33番あります)。 
ここ天の岩戸神社の神楽殿では毎年11月3日(9:30〜23:00)に天岩戸夜神楽33番が舞われます。
高千穂地方ではこの岩戸神楽の手振りが氏子に伝えられ、毎年11月下旬から2月初旬に掛けて、各部落毎に舞われています。神楽宿となる民家では注連飾りをかざって、終夜舞続け明け方に岩戸開き(岩戸隠れ)を舞う習慣が伝承さえています。

(以上天岩戸神社由緒、古事記鈴木三重吉訳などから引用)
岩戸へ続く細い道
天安河原に続く道
前を流れる岩戸川

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