大浪池とマンサク 霧島連山にはたくさんの火口湖があります。その中で最も標高が高い所にあるのが大浪池(湖面の高さ1,239m)です。 大浪池は我が国最大の山頂湖で、その高さも日本一です。冬には湖面が結氷することもあります。 大浪池は霧島連山で最も標高の高い韓国岳(1,700m)の南西に位置し、韓国岳から大浪池を見下ろすと、山頂にお鉢型を成した見事な円形の火口湖を確認できます。 大浪池の火口壁(お鉢の縁)の高さは1,412mで、湖面の高さは標高1,239m、直径630m、最大深度12m、透明度が高く底まで見ることができます。 大浪池では冬に霧氷を見ることができ、1月中旬からは大浪池登山口から付近のヤブツバキ、2月中旬から3月下旬に掛けては大浪池周回道にマンサク(満作)が咲きます。初夏にはミヤマキリシマが咲き、秋には火口壁が紅葉で色づきます。四季を通して楽しめるところです。 また火口には、1周(およそ3.7km)およそ90分の遊歩道があり、多くのトレッキングファンでにぎわいます。 大浪池トレッキング(山歩き)コース大浪池へのアプローチは3コースあります。(上の地図を参照してください) 1.硫黄山(不動池)→韓国岳→大浪池 2.えびのキャンプ場近くの県道→大浪池 3.大浪池登山口→大浪池 体力に自信の無い方や、登山初心者の方であれば、3.大浪池登山口からのコースをお薦めします。 大浪池登山口からであれば、傾斜がそれほどきつく無く、40分ほどで大浪池避難小屋(展望所)に辿り着くことが出来ます。また大浪池登山口からの遊歩道が一番綺麗に整備されていることからも、軽装でも問題ありません。さらに体力があれば、大浪池を一周してみてください。90分ほどで回れます。 また韓国岳へ登頂したいのであれば、大浪池登山口→大浪池(東回り)→韓国岳のコースをお薦めします。片道2時間半ほど掛かりますが、美しい火口湖を巡って、変化に富んだトレッキングを楽しむことができます。 大浪池の見所大浪池登り口から大浪池展望所赤松と樅の巨木の中に低雑木が生い茂る自然林、圧倒的高さの巨木群と鮮やかな赤い幹に思わず感嘆してしまいます。整備された遊歩道ではどこからともなく四十雀・ウグイスなど野鳥の鳴き声が聞こえてきます。 大浪池東回り 大浪池避難小屋近くにある展望所からは、韓国岳と大浪池にせり立つ火口壁、透明度の高い湖面を見渡すことができます。 大浪池展望所から東回りに進むとすぐに、韓国岳と反対方向に桜島、錦江湾が見えます。天気が良ければ開聞岳まで見渡せるそうです。 さらに落葉低灌木にミヤマキリシマが混じる遊歩道を東へ15分ほど進んでください。 やがて獅子戸岳・新燃岳・中岳と高千穂峰が、一直線に並ぶ雄大な景色が見えてきます。この付近は、大浪池東回りで一番の景観です。このすばらしい高千穂峰の眺めは韓国岳分かれ道付近まで続きます。
大浪池西回り 韓国岳分かれ道から急な上りを進むと両側をクマザサに囲まれた遊歩道に出ます。 しばらく進むと、クマザサの丈は低くなり見晴らしが良くなります。 両側は、ミズナラの低灌木、深くえぐれた大浪池の縁沿いを進みます。 西回りの中間点付近、眺望の良い場所に設けられた展望ベンチから振り返ると、韓国岳の勇姿となだらかな斜面の西にえびの高原が一望に出来ます。 機会があればミヤマキリシマの季節にも是非行ってみたい所です。 マンサク(満作)マンサク(満作)は霧島連山で春を告げる花として知られています。花の特徴は錦糸玉子に似た4枚の黄色いリボンのような細い花びらを付け、大きさは2cm程度です。葉が出る前にまず花を咲かせ、秋には果実が実ります。”マンサク”の名前の由来は、春に先駆けて”まず咲く”と言う説と、早春に枝いっぱいに花が咲くところから、「豊年満作」の願いを込めて付けられたともいわれています。マンサクの花の見頃は3月中旬から下旬です。 撮影:2006/3/20 見頃はもう少し先です。撮影場所は大浪池避難小屋から東周りに15分ほど行った所です。 戻 る えびの高原TOPへ |
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